Game Mediation

PCゲーム、3DCG、哲学など

絶対に被らないSteamサマーセールおすすめ作品 8選

私は皆さんがこの記事に辿り着いたようにSteamで大型セールが始まる度にオススメの作品を漁ります。オススメまとめ画像ツイートを読み漁り、まとめブログを読み漁り、あまつさえフレンドが購入したゲームをアクティビティで監視します。最後の方法は割と有効ですが、オススメまとめ記事が有効だったことはこれまで殆どありません。何故なら大抵の作品の情報は自分で既に集めているからです。

 

僕が読みたいのはまだ見ぬ作品、それもサンプル数1でもいいので誰かが魅力的だと感じてオススメしている作品です。そこでこの記事では僕がこれまで読み漁ってきたオススメには一切登場しなかった、僕のオススメ作品を紹介します。この記事を読みたいのは誰よりも僕自身なのですが僕は既にプレイしているので意味がありません。みんなこういう記事を書いてくれ。

 

・Deadly Premonition: The Director's Cut

ギネスブックに「最も評価の割れたサバイバルホラーゲーム」として登録された作品。プレイヤーはFBI特別捜査官のフランシス・ヨーク・モーガンを操って片田舎の怪事件を捜査することになる。タバコを吸ったり、ドライビングをしたり、とスカスカのアクティビティが用意されたオープンワールドは一見の価値あり。また古い作品とは言えテクスチャループを気にしないビジュアルへの寛容さには驚かされる。

 

しかし、この作品の真の魅力は奇妙な住民たちが織り成す怪事件とその展開にある。海外ドラマ『ツインピークス』が好きな人にはオススメ、とよく聞く。だがDirector's Cutを謳うこのPC版にはほぼ確実に遭遇する進行不能バグが存在していて、二重の意味でオススメしづらい作品となっている。幸い熱心なファンがバグを回避する方法をフォーラムで提供しているためなんとかクリアにはこぎつけられるだろう。

 

 

・Bejeweled® 3

同じ色の宝石を一列にそろえて破壊するジュエルパズルの決定版。あまりのシンプルさに驚くかもしれないが、洗練された操作感に慣れたころにはスコアを稼ぐための試行錯誤に没頭していることだろう。モードも豊富でそれぞれ自己満足とはいえ極めたくなる魅力がある。アプリゲームに課されるようなデイリー課題もなく終始快適に遊べる最高のパズルゲームだ。

 

・The Suicide of Rachel Foster

吹雪の中隔離されたホテルの中を歩き回るという『The Shining』のようなシチュエーションのウォーキングシミュレーター。そこは主人公がかつて住んでいた家であり、ある事件をきっかけに10年間放置されていた、いわくつきの場所でもる。ホテルの造形がおしゃれで、かつての更盛を想像しながら「歩く」こと、それ自体が楽しいウォーキングシミュレーターだ。

 

 

・Paratopic

独特なローポリの造形、断片的なシーン、空白の時間、ままならない会話、奇妙な法則にのっとった写真撮影……etc。この作品を構成するすべての要素がプレイヤーを不気味な異世界へといざなう。1プレイ30分程度の悪夢を味わいたい全ての人に薦めたい。

 

youge.hatenadiary.jp

 

・NORTH

あなたはどこかの国から来た亡命者で、この異国の地で難民として受け入れてもらわなければなりません。架空のサイバーパンク的な世界を舞台として難民危機を扱った異色の作品。どこか現実離れしながらも難民がどのような扱いを受けて現地に受け入れられるのか、という非常にセンシティブな話題を扱っている。

 

・さよなら、ゴールデンエイジ

とあるゲームサークルの部室と未完成のゲーム作品を通して、ままならない現実を背景に在りし日の青春を懐かしむ作品。作品の出来に知名度が見合っておらず、もっと知ってもらいたい作品。僕はエンディングを見てゲームに込められた思いに嗚咽しました。

 

・Hadr

包んだものを消し去る不思議な布、それがあなたです。独特の操作感に振り回されながらおしゃれなステージのオブジェクトを消しまくろう。オブジェクトの造形を操作キャラクターの体で包むという行為が、ゲームでは軽視されがちな小物を尊重しているようで個人的にはツボだった作品です。

 

・Metamorphosis

ある日を境に主人公のグレゴールは虫に変身してしまう。言うまでもなくカフカの『変身』をモチーフとしたアドベンチャーゲームだ。面白いのが人間から虫へと変身する様子が一人称でリアルタイムに体験できる点だ。このシームレスな演出には驚くこと間違いない。またカフカのモチーフは『変身』だけでなく、国の不透明な裁判システムに翻弄される『審判』からのものも色濃く表れているのでカフカ好きは必見。

 

以上8作品を紹介しました。どれも古かったり、小粒な作品のためお値段も安くなっています。だまされたと思ってぜひ試してみてください。他にも頭痛を引き起こすような強烈なビジュアルが特徴的な暴力FPS『Post Void』や切実な悩みを体現した『The MISSING: J.J. Macfield and the Island of Memories』、エロスをテーマとした地獄の風景が魅力的な『Lust for Darkness』なども紹介したかったのですが、知名度が高く被りそうだったのでやめにしました。

 

皆さんもぜひ僕に絶対に被らなさそうなおすすめの作品を教えてください。