Game Mediation

PCゲーム、3DCG、哲学など

Outlastをプレイ ホラーとしての欠陥

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以前から気になっていた作品ですがジャンルがホラーということで敬遠していたOutlast

今Summer Sale時にかなり安くなっておりましたので購入しました。当初は恐怖に耐え切れないと予想し

グラフィックを少し確認してから一生起動することはない作品と勝手に考えていましたがプレイしてみると

自分の思い描いていたゲームプレイと実際とのギャップが激しく拍子抜けしてしまいました。

ゲームプレイの根幹を崩すネタバレが含まれていますのでご注意を

主人公は黒い噂が立ち込める精神病院にスクープを嗅ぎつけ、あろうことか単身で乗り込みます。

雰囲気は抜群でそこに立っているだけで恐怖で足がすくみそうになります。

舞台となる病院に近づくと通信機器は効かなくなりパニックホラーな雰囲気が高まります。

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ビデオレコーダーの暗視機能を用いて歩を進めるとそこには海外ホラーお得意のビックリ系ギミックと

四肢はちぎれ臓物は溢れる無残な姿の死体の山が敷き詰められている異様な光景に出会います。

演出の勢いと主人公の吐息といった雰囲気を高める効果が相まって自分のスクリームは止まりませんでした。

その狂気的な雰囲気に惹かれ何とかゲームを進めると正体不明の狂人たちに追いかけられる

ごっこと隠れんぼを組み合わせたような駆け引きが展開されます。この時点では自分もまだ

慣れているはずのFPSの操作がおぼつかなくなるほど恐怖を感じていました。

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ゲームシステムの全容を把握したプレイ開始から約30分後、この作品の恐怖の対象であった

狂人たちの実態がほのめかされます。彼らには段階があるようで大きく分けると理性を持つか、

持たないかというものです。プレイヤーは理性を持つ狂人に出会うことでこう思わずにはいられないでしょう。

「こいつらは俺たち健常者となんら変わらないじゃないか」と。ここでプレイヤーの恐怖の対象の正体は

完全に明かされもはやその役目を果たさなくなります。(少なくとも自分はそうでした)

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それでは理性が残っている狂人としての怖さはあるかと聞かれると少なくともゲームプレイ中に出てくる

いわゆるモブ狂人には感じられません。すると不思議なもので5分前に感じていた恐怖感はどこ吹く風と

消え去ってしまい同時にプレイ意欲も急降下していきました。自分でも驚きましたがやはりホラーゲームには

自分を追い込むような恐怖を無意識なうちに求めていたんですね。

“2時間しかプレイしていないにわかが”と思われるかもしれませんが何も問題点は

主観的な恐怖の消失にはとどまりません。

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そもそものゲームプレイの軸となる狂人を相手取った“Run &Hide”システムですが

ヘタを打てば当然、危害を加えられるわけですがこれまた主人公が並のことでは死なず敵の殴打を

ものともせずに超回復しながら走り続けます。決め手は敵がどうやっても入ってこれないエリアに

逃げ込むとそのたくましい背中を向けすごすご帰っていくこと。これでは緊張感もクソもない。

散々書いた気がしますがこの作品独自の雰囲気はやはり素晴らしい。

オプションのNIHONGOを無視してプレイすれば怖くて仕方なかったかもしれない。

ではまた~