Game Mediation

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Bioshock Infinite レビュー

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2007年より始まったBioshockシリーズ3作目。

舞台を海底都市から空中都市へと大胆な変更で大きな注目を浴びる一方、

シリーズの水準を保てるのかと疑問の声が上がっていた。

結果としてはメタスコアは94点を獲得するなど初代以来の功績を収めた ※ネタバレなし

ゲームプレイ

右手に銃器、左手には特殊能力(ビガー)とシリーズ伝統のシステムを受け継いでいる。

変更点といえば前作まではビガー(=プラスミドとする)はチャージすると効果が強化されるというものだったが

今作ではトラップの設置となっている。戦略的な戦闘がより手軽に楽しめるようになった。

また銃器は照準の使用が必須となっている。スナイパーライフルの登場からもその傾向が伺える。

持てる武器が2つまでとなったのは個人的には良い変更だった。

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前作までの戦闘のコンセプトが(あくまで自分の見解だが)“量より質”だったのに対して

今作は“質より量”。絶対的な驚異だったBig DaddyやBig Sisterのような存在は無く

手軽に倒せる派手な中ボスへと置き換えられた。

これによってゲームとしての戦闘は楽しくなった反面、普通の難易度だと緊張感のない戦闘となる。

そして今作の最大の革新的な要素になるはずだったスカイライン

ジェットコースターのようなレールを縦横無尽に駆け巡りスピーディーな戦闘を楽しめるのは

以前公開されたトレイラーのようにフーヤッ!と叫びながらスカイラインを使用する敵も存在せず

また使用する機会もそう多くない。十分に活用できた要素とは思えない。

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シリーズ初となるコンパニオン(リトルシスターは含めず)エリザベスは戦闘においては物資補給と

ティアなる扉を開いて物資や環境を作り上げることができる。下手に戦闘には参加せず守る必要もない。

戦闘以外では鍵開けやアイテムの場所をさりげなく教えてくれるなどかなり便利。

不安な要素の1つだったがうまくまとまっていて安心した。共闘要素がなくなっていたのは少しショックだったが。

グラフィック

相変わらず全体的な水準は高く木や水の質感、光の表現にこだわっているように思えた。

PC版ならではの細かいグラフィック設定にも対応しており全て最高にすると

それなりに重くなるが最適化が上手いのか軽い部類だ。

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人物の表現は前作から大幅に進化しており表情の変化などもレベルが高い。

ストーリー

最も期待し、そして心配していた要素。徐々に明かされていくコロンビアの、エリザベスの、ブッカーの真実。

恐ろしいまでに引き込まれる世界観と演出で没入感は常に維持される。

今作ではプレイヤーによる選択があまり意味をなさなかったのは残念だったが

それにも納得できるストーリーだった。考察や憶測が飛び交うものを久しぶりに体験した。

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敵キャラに関しては明らかに掘り下げ不足。DLCにて…ということなのか

総評

Good Point

◆戦略性の増した戦闘

◆程よいサポート役としてのコンパニオン

◆バラエティに富み、圧倒される世界観

◆息をのむ幻想的なグラフィック

◆鼻血が出そうなストーリー(変な意味ではない)

◆レベルの高いローカライズ

Bad Point

◆不完全燃焼なスカイラインシステム

◆程度が低い敵キャラクター