Dear Estherに似た作品を求めたところ返事が返ってきた作品。なるほど、綺麗な絵が豊富でした。
クリア時間は3.4時間。撮ったSSは221枚。
主人公のキコはタンスの中から繋がった異世界で“毒ガエルを食べると凶暴化する”という友達の
モンスターの問題を解消するための旅に出かけます。この世界ではチョークで書かれた2Dの絵が
世界の構造を変える3D装置として機能し、主人公の非力な腕でも家が動いたりする。
この動作の軽快さとパズルのカジュアルさは相性抜群でスイスイ進めていける。
そしてモンスターとの協力要素ですが大半の方が想像するような友情技ではなく酷く無機質な
クマノミとイソギンチャクの共生関係のような感じで何よりも食べ物を優先させるモンスターに
木の実をちらつかせて所定の位置に誘導したり寝ているモンスターの腹をジャンプ台にしたり…
異世界の街並みは南米貧民街をイメージしているらしく音楽はベネズエラ出身の作曲家が、
街に見られる落書きは実際の南米アーティストのものを使用しており雰囲気が素晴らしい。
謎解きの過程で自然に出来上がる風景は非常に個性的でどこを撮っても美術作品のような趣を醸す。
そんな風景が主人公の行動でコロコロ変わるというのがこの作品のビジュアル的には一番魅力的な要素。
主人公が言葉を発することのない本作、ストレートな描写が大いにもかかわらずその質は非常に高く
プレイヤーにダイレクトにその状況、心情、そしてその変化を伝えます。
表面上のストーリーはゲーム中、常に進行しているのですが、それとは別の裏のストーリーは
ほんの少しの暗示にとどまり終盤怒涛の勢いで明かされていきます。
久しぶりにエンディングを見て“プレイしてよかった”と思えた作品でした。
ゲーム中少しだけ作業になる謎解きも見られましたがぜひプレイして欲しい作品です。
ではまた~