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F.E.A.R.をプレイ5 Extraction Point

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“2005年のトップシューターは生き続ける(lives on)”そう銘打たれたパッケージに映るのはF.E.A.R.(2005)の拡張パック“F.E.A.R. Extraction Point” 本編発売から1年後の2006年に発売された今作は相変わらずの舞台とさらに激しくなった戦闘を引っさげて帰ってきた(9年前に) ※ネタバレ有り


ちなみにlive onにはすねをかじるという意味があり皮肉にも、駄作と呼ばれる作品2本とF2P化など現在のF.E.A.R.シリーズを思わせます

物語は前作のエンディング後から始まる。ヘリコプターに救出された直後にアルマが姿を見せ、ヘリは墜落してしまう。主人公のポイントマンは再び救助を求めるため協会、地下鉄、病院と歩を進めていく。ステージの外観は前作と全く変わらず狭い室内がメインとなっている。

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重火器が火を吹き爆発物が敵を肉塊に変える過程で生まれる血しぶきや火花、粉塵を主人公の能力である「スローモ」でじっくり鑑賞することがF.E.A.R.の戦闘の魅力であり今作はその要素を爆発物の設置数増加、装弾数の多い武器、派手な攻撃を持つ敵などでとことん突き詰めた。

操られた人間を主に相手取る今作だがアルマの繰り出す幻覚や化物は前作と比べると惜しげもなくその姿を晒す直接的な描写となった(今作以降この路線)。自分は前作の、プレイヤーの視覚を上手くコントロールして作り出す“チラリズム的恐怖”が素晴らしかっただけに残念だったがこれは今作のストーリーに関係していると思われる。

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今作で最も印象的な場面がコチラ。少しわかりにくいが大人アルマ(おそらく享年の26歳)と子供アルマ(8歳)が精神世界で合体するのを見せられるシーン。前作の終盤で解放された大人アルマだがここで自分の分身の子供アルマと一心同体となったということでいいんだろうか。

ゲームプレイ中の彼女の行動は主人公を攻撃する(主人公にに感じる脅威?)のに対して敵兵を皆殺しにし「もう大丈夫よ」と言い立ち去ったり(母性の現れ?)と利害の不一致が多く見られた。

※下手な考察を加えた後に言うのもなんですが今作、Monolith Productionsは開発に関わっていない。別の開発にシリーズの戦闘が完成されるとは皮肉なことですが…


肝心の感想ですが前作を遊んだが少々物足りない又は少し間を置いたら遊びたくなったという方には本編以上に上質なゲームプレイを味わえる素晴らしいものとなるでしょう。ぜひ
最後にF.E.A.R 1 - Texture Mod?(F.E.A.R.にテクスチャModある?)というスレッドで多く見受けられた「そんなもんゲームプレイに関係ないじゃん、気にすんなよ」という意見ですが自分は断固反対ですね。先程も述べたようにF.E.A.R.の魅力とはゲームプレイ中に生み出される絵面であって、ソレを生み出す要素はやはり周りに存在するオブジェクトなわけです。名作をプレイできる層を広げるためにもグラフィックの向上はどの作品にも必要だと思いますね。2015-02-15_00038.jpg

大げさに空いた壁の弾痕や飛び散った血と四肢が色なす戦闘後の絵も素晴らしいですね。

この要素はレーザー銃の存在によって更に印象深いものへとなった。弾痕表示時間の制限と敵の使用頻度の少なさが悔やまれる