Game Mediation

PCゲーム、3DCG、哲学など

Killer is Dead 最も成功した作品

2014-10-18_00001.jpg

2014年の私的GoTYに入れたかったがクリアする時間がなく断念した作品。国産の作品でかの有名な須田剛一が開発に携わっている。今回初めて須田ワールドなる独特の世界観に触れて強く惹かれました。

激しさと優雅さを併せ持つアクション

2014-11-01_00011.jpg

今作の主人公は“処刑人”として、依頼された人物を処刑しに世界中を駆け回る。ターゲットまでの道中にザコ敵をなぎ倒しミッションの最後に処刑を実行するという流れ。特筆すべきは日本刀、マッセルバック(左手の義手、銃に変形する)を併用しての繊細かつ大胆なアクション。序盤こそ刀で押し切れるものの各ミッションごとに現れる新手や敵数の増加によって用意された多くのアビリティを活用していかざるをえなくなる。

“必要に迫られる”ものが粗末であれば元も子もないが今作はそんな不安を吹き飛ばしてくれる。近接戦闘がメインであるTPS作品の流行りのように見えるシューティング要素、敵の攻撃をタイミングよく交わすことで発生するラッシュ、一撃必殺技…これらは目新しさこそ無いものの非常にテンポが良く力強さも充分に表現できている。テンポの良さといえば主人公、モンドの成長も速い。HP、MP、新アクション、新装備、これらは全てプレイヤーが能動的であればあるほど手に入りやすく変化も大きいので俄然やる気が出るというものだ。

2015-02-15_00010.jpg


2015-02-15_00074_201502211427134f3.jpg 2014-10-18_00009.jpgメインミッションは依頼に始まり処刑に終わる。つまり毎ミッションごとにボスが存在するのだ。すべてのボスは圧倒的な力を持つわけでもなくプレイヤーが上手くやれば簡単に蹂躙できてしまう。止めのQTEは毎回同じ行動ながらそのミッションごとにプレイヤーの心情に与える印象を変化させる。

単調さを許さないゲーム構造

この作品で最も感銘を受けた点はこの恐ろしいまでの多様性だ。作品を通して流れる所謂“オサレ”な雰囲気が苦手な方は早々とプレイの手を止めてしまいそうだが一度この作品の不思議な魅力に囚われたものは決して中途半端で止めることはできない。例えるなら一話完結のアニメか

2014-10-18_00052.jpg 2014-11-01_00004.jpg2014-10-18_00037.jpg 2014-11-01_00015.jpg

各ミッションの冒頭で繰り広げられる依頼人については“~を処刑して欲しい”という内容は一貫しているものの、その素性、種族、住む世界まで全く予想がつかない。ミッション中の人知を超えたキャラクター達の発狂、変身、メタ発言などはプレイヤーの頭を混乱させる。それと対照的に主人公を囲む底抜けに明るい登場人物たちはその異常さをさらに加速させる。

2015-02-19_00014.jpg

この多様性はストーリーや演出だけでなくミッション中のギミックにおいても存在する。メイドインワリオ並の突飛さと意外性を提供する。


この作品には一貫している“プレイヤーを楽しませよう”という確固たる意志はすべてのゲーマーの肌に感じられたのではないだろうか。爽快なアクション、魅力的なキャラクター、特徴的なグラフィック…それら全てに込められた目標は最大限達成された。

2015-02-19_00051.jpg