「写実的な描写」によるリアル
今作の描写はCoDやBFなどのタイトルと比べると写実的な表現を重視しているように思える。各ミッションごと(EP1,2,3,10,11,12を除く)に「実在の事件に基づく」とあることからも“リアルさ”を重視していることが伺える。その根幹となるグラフィックはやはり徹底しておりファンタジー色なんかは全く感じさせない渋いものとなっている。光に当たったスモークなど垂涎もの。 他にも戦闘中にも“リアルさ”を感じさせる要素が散りばめられている。接近戦では無理がある難易度であるため中~遠距離戦がメインとなるがリコイルコントロールは難しく中々弾があたってくれない。また時々、味方が残りのターゲットの数を叫ぶのだが乱戦であれば間違っていることがある。あれほどハッとさせられた瞬間は今までの作品では中々無かった。兵士と家族
今作のカットシーンには普段戦場を駆け巡る兵士たちの、家族とともにあるごく普通の日常とその崩壊が描かれる。そしてED後に映る、このメッセージである。これは明らかにゲームという舞台を飛び出し現実の世界について言及している。ここでプレイヤーは今まで操り壊れていった兵士たちは、その家族たちへの悲劇は現実のものである、ということを理解する。 このような描写を「ゲームでやる必要があるのか」と言い否定する人間がいる。確かに傍から結論だけ見ていればそう思うのも当然だ。しかし、このようなラストに展開させる手法はプレイした当人にとっては計り知れない影響力を持つ(Bioshockみたいに)商業的な壁
とはいっても今作には目を疑うような派手なシーンが盛りだくさんである。およそリアルとはいい難いこのジェットコースターを産んだのは一体なんだろうか。それは実に商業的な理由、簡単な話それを入れないと「売れないから」ではないだろうか。そして全く無意味であったブリーチ要素は開発者の写実的表現を否定されたことによる憤りの余りの行動なんかにも思えてきてしまう。ついでに言わせてもらうが吹き替えしか選べない仕様には憤りを覚える。実際の戦場がどうなのか、なんてことは知らないがMoHの目指した「写実的」には程遠い演技である。