Game Mediation

PCゲーム、3DCG、哲学など

Call of Duty Black Ops 新たな没入

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CoDシリーズの6作目にあたる、この作品。大好きなTreyarchが今年のCoD「BO3」を担当するということで、おさらいとしてプレイした。つもりだったが未クリアだった。

そこを見なくてどうする - ストーリー -

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今作のストーリーはファンの中では言わずと知れた素晴らしい出来であるとされている。拷問中の回想という形で物語は進みプレイヤーは尋問官の言葉と共にジグソーパズルのピースを埋めていくように徐々に全体像を理解することになる---というのが理想の形だったんだろうが、やはり世界で1,2を争う大作だ。大衆に向けた物語は単純明快であったほうがよい、という理由からかプレイヤーが途中で答えにたどり着いてもおかしくないくらいにヒントをぶち込んでくる。確かにこれは大きなマイナス点だがストーリーが素晴らしいという事実には変わりはない。

しかしここで素朴な疑問が浮かんでくる。「じゃあ、いつもどおりのCoDだったと貶している奴等は何を見ていたんだ?」と。答えは簡単だ。「理解できていない」のだ。実際そういった人の記事など開いてみるとストーリーについて全く言及していなかったり、そもそもクリアしたのかも怪しいものも多い。「たかがCoD」と思ってのことかもしれないがヒアリングが完璧にできないのならば自分のようにPS3でも何でも引っ張り出して日本語版をプレイするべきだ。

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新たな没入

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CoDは、少なくともTreyarchは主人公としての完全な没入には限界があると考えたのだろう。そこで彼らは新たな手法を用いた。主人公は一介の兵士としてではなくプレイヤーは蚊帳の外であるスパーソルジャーとして戦場に降り立つ。

このことによって主人公としての没入は困難になってしまったが様々な視点から物語を見ることが可能になった。これはプレイヤーの頭の中を常に疑問で満たし読み解こうとさせる「ドラマ的観点」という別の観点からの没入を促した。

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結果、映画的な演出はドラマ的観点によってさらに効果的にプレイヤーの目に映るようになった。「なんだか映画を見ているようだ」という感想は至極真っ当でTreyarchの狙い通りだ。


むしろ2つ目のオチを見せたかったのでは、という作品。一つ目を途中で見つけてしまってもプレイしてもらいたい良作。日本語で遊びましょう。