従来の「Devil May Cry」シリーズとは別の世界線として製作された外注作品。シリーズは4を少しプレイしただけだったので比較はできませんが久々に夢中にプレイした作品でした。
退屈の入る隙のないゲームプレイ
褒める箇所が多すぎるがまずはゲームの根幹となる戦闘部分だ。今シリーズの戦闘は知っての通り「スタイリッシュにキメればキメるほど」評価が高くなるシステムを採用している。そのため同じ技を繰り返し使っていては評価にはつながらない。さらに技の多様性を引き出すための敵キャラも揃っているためゲームプレイは自然と見栄えが良く爽快なものとなる。
このようにテンプレのような説明は簡単にできるが実際にプレイしてみるとその圧倒的な多様性、テンポ、爽快感に驚くことに違いない。特に自分が気に入っているのは悪魔と天使の混血である主人公ダンテの設定を活かした敵を手繰り寄せる悪魔の、敵のもとへと移動する天使の武器で、異常なまでのゲームスピードを実現していたことだ。さらに移動時にもそれらの武器が活躍しており本来退屈で死んでしまいそうなパートにも楽しさを組み込んだ画期的なものであった。
また数自体は少なかったが近年まれに見るボス戦が楽しい作品でもあった。ステージやボスの特性などは毎回違うのにもかかわらず今までに培ってきた戦闘技術がそのまま使えると言うのが珍しくもあり楽しいボス戦を実現している。また演出もゲームプレイと並行しており持ち味のハイスピードさは保たれている。
プレイヤーが能動的に行動した結果得られる楽しさはまるで隙がない。それではグラフィックなどの受動的な楽しみは…?
プレイヤーが進むのは現実世界と悪魔の住処である「リンボ」の世界が混ざった奇妙なものである。ダンテが敵意を持って近づけばただの遊園地でさえもこのように変貌する。
街は逆さまになり列車は血走った目で突っ込んでくる。そんなカオスな世界は見ているだけでも楽しい。つまり前述した受動的な楽しみも完璧である。
そう評してもなんら支障がないのが今作「DmC」である。全ての要素が調和した本当に素晴らしい作品であった。