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CoD BO3 キャンペーン ~考察編~ 三位一体説

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今回は考察編です。「プレイヤー」「テイラー」「コルヴィス」が実質的には同じであるという「三位一体説」を述べていきます。

三位一体説

前回の記事でも述べたとおりプレイヤーは「凍てつく森のような場所」から帰還し名前を聞かれた際に「テイラー」と答えます。この答えが多くの可能性を示した発端です。では「三位一体説」はどのようなものなのでしょうか。

三位一体とはキリスト教において「父」と「子(キリスト)」と「聖霊聖神)」が「一体(唯一の神)」であるとする教え。

プレイヤーはCIAのブラックプロジェクトの際に赤ん坊の被験者として使用された。つまりコルヴィスを生み出す際の一つの要素となっている。よってコルヴィスは三位の中の「子」、プレイヤーは「父」となる。ブラックオプスに入るまでの記憶は偽物。放置されていたコルヴィスをテイラーが発見し、その思想に触れ感染を開始。感染したテイラーは「父または神から発される精霊」という立ち位置となる。

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↑どこか虚ろな目をして2人を見つめるテイラー、2人は殺すこともできたが何もせずに見逃してしまう

その後ヘンドリクスがテイラーを殺す。テイラーが死んだのは2人に感染したコルヴィスが「DNIを引きちぎったテイラーには思想の達成が不可能である」と判断したからである。その結果テイラーの代役としてヘンドリクスが選ばれたのだ。

ここで「なぜコルヴィスはヘンドリクスだけでなくプレイヤーも一緒に寝返らせなかったのだろうか。」という疑問が出てくると思う。それは三位が一体であっても独立性は保っているからだ。ヘンドリクスはコルヴィスの思想を達成するためAIの感染拡大を試みるが、その奥には「クルーガーを含む重要人物を殺してブラックプロジェクトを永遠に消し去る」という意図が隠れていたのだから。つまり結果的にヘンドリクスはコルヴィスに抗っていたのだ。

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↑コルヴィス自身がこんなことを言うわけがない

しかし、やはりヘンドリクスもコルヴィスの「精霊」である。最後はコルヴィスを肯定して消えていく。コルヴィスの思い描いた理想「凍てつく森“のような場所”」で「父」であるプレイヤーと「精霊」であるテイラーが作られた存在「子」であるコルヴィスに抗い森を破壊する。虚構にすがった「子」は負けたのだ。

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現実に戻ってきたプレイヤーはDNIを完全に削除し感染の影響を完全に排す。だからこそプレイヤーは名前を聞かれても「プレイヤーだ」とは答えられない。ここでプレイヤーというのは本当に画面の目の前でプレイしていた我々を表していることに気がつく。「テイラーだ」そう答えることによって三位一体は完成する。


実はこの考察というのは誰が「神」や「子」でもいいんです。唯一「精霊」というのは「神または子から発出されるもの」であるのでコルヴィスの感染という形でまとめました。「誰でもいい」だからこそ「プレイヤー」の見た目、性別は変更可能である。言い換えれば「変更しても普遍的に変わらないのがこのストーリーだ」ということですね。

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