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METAL GEAR RISING REVENGEANCE 戦ったものは皆、救われている

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MGRのストーリーについて。今までストーリーについて突っ込んだ話はしてきませんでしたが、これからはネタバレありでの記事も書いていこうかと思います。

魅力あふれるキャラクター達

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彼らは強烈に個性的だ。プレイヤーの前に現れ自信満々に持論を撒き散らし、そして死んでいく。前の記事でも言ったとおりプレイヤーは彼らの言い分を頭から否定することは決してできない。ウルフは保身のために思考停止を、モンスーンは持論である「破壊と殺戮のミーム」を、サムは選択肢の無いサイボーグたちへの慈悲を、サンダウナーは「人間の本質は戦乱」と、それぞれ心の支えとして主人公と対立する。

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そして自分がもっとも惹かれたこのキャラクター「スティーブン・アームストロング」彼は第一形態において巨大なロボットで自分は傷つかぬよう戦う臆病者として描かれる。自分は道中のガチンコ対決を体現したかのような対サム戦とのギャップにイライラせずにはいられなかった。

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しかし彼はロボットを抜け出して一変する。貧弱な現在のアメリカを個人間での弱肉強食という形で治めたいと主人公をタコ殴りしながら演説する。むちゃくちゃな理論だがその芯の強さに屈服せざるを得ないような気がした。

だがここでプレイヤーの操る雷電も自分自身の信念に基づき行動を始める。プレイヤーは雷電が自分自身の目などではないことに今さら気がつくのだろう。

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彼らは皆、救われている

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彼らの死に際を思い出してほしい。普通なら実に無念な怨念の言葉の1つや2つくらいは飛んできそうなものだが、そうではない。彼らは納得し充実を噛み締めながら死んでいく。これを救われたと言わずに何というだろうか。方向は違えど彼らは彼らなりの正義を貫き通した。この作品のストーリーはそんな熱い人間達を描いた、それだけの話だ。