20時間ほどでクリアしてまいりました。感想としては今年遊んだ作品の中で最も楽しさが持続した素晴らしいものでした。※ラスボスについての表記有り
加速し続けるゲームプレイ
このゲームのプレイ内容をハッキリと言ってしまえばゾンビや人間を殺し街中を縦横無尽に走り回ることに尽きる。正直こんな単純な作業で構成されたプレイなんて数時間で飽きても仕様がない。しかしDying LightはDead Island同様、「スタミナが増える」や「倒れた敵を一撃で殺せるようにする」とかいった成長要素の追加によって継続的な「ゲームプレイの効率化、高速化」を成功させた。
また成長要素の一環として設けられたグラップルフックは見事だった。何よりプレイヤーが移動速度の限界を見そうになったタイミングで登場しプレイヤーの想像を軽く超えてくるのが素晴らしい。大量のゾンビを横目に颯爽と走り抜けるこのゲームの魅力を最大にまで引き出している。
腹立たしいQTEの目的
今作のラスボス戦は全てQTEで行われる。ラスボス戦に向けて今まで勿体無くて使えなかったような最強武器をたくさん用意して出向いたプレイヤーは正直拍子抜けしただろう。問題はココからだ。このQTE正直覚えゲーかと思うほど難易度が高く実際にコマンドを覚えた状態でクリアしてしまった。しかし最悪の印象でゲームをクリアしてしまった諸君にボス戦時のSSを今一度ゆっくり見てその意味を考えてみて欲しい。
ライズ: お前はここのものではない。本当の苦しみを知らないんだよ。
ライズ: お前に教えてやるよ。Crane。俺と共に苦しみを味わうがいい。
プレイヤーはこれまでにひどく好き勝手にこのオープンワールドを駆け巡っていた。困っている生存者の話を聞くだけ聞いて放置したり悪党と位置づけられているものの生存者達を一方的に虐殺したり、もうやりたい放題である。さらにただの遊びで大量のゾンビを爆竹なんかで集めて大爆散なんて一度はやっただろう。もののつまりプレイヤーにとってこの世界の出来事は単なる他人事なのである。
それをラスボスであるライズはこの世界の声を代弁するかのようにプレイヤーに告げ(お前はここのものではない。)繰り返されるQTEという苦痛をDying Light世界の苦しみのほんの一部として味あわせる(俺と共に苦しみを味わうがいい。)これがDying Lightラスボス戦の伝えたかったことであると自分は考えた。まさか最後の最後にメタな表現を加えてくるとは予想外だった。天晴れ。