Game Mediation

PCゲーム、3DCG、哲学など

Duet お前さっきから誰と話してるんだ?

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Duetは端的に言ってしまえば「避けゲー」である。プレイヤーは円の軌道上に乗った2つの玉(赤と青、おしゃれ)となって上方に設置してある障害物をよけながらゴールへと進む。

まあ、もしかしたらプレイヤーが進んでいるのではなく障害物がプレイヤーに向かってに落ちているのかもしれない。(その場合ゴールは玉が最初に設置されていたところと全く違わないという、とても愉快な事になってしまう)

試行=成功ではなく、試行×100=成功

今作のゲームプレイは世界がスローモーションで見える超人以外にとっては基本トライ&エラーの作品である。目の前の棒を赤玉が避けたはいいが常にその正面にある青玉が次の障害物にぶつかり最初からというのがお決まり。

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画像を見てもらえればなんとなく把握できると思うがミスをしてぶつかると、その位置にその玉の色がペイントされる。ただこれでミスが減るということは実感できなかった。

逆にペイントまみれの棒が出てくるとビクッとして集中力が落ちる。しかし試行回数の実感という役割は果たす。同時に試行=成功でないことも知ってしまうが。

親しみの声、でもお前誰だよ

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ストーリーモードにはゲームプレイの前に話しかけてくるやつがいる。それは時にアドバイスであったり、倒錯的で要領を得ないことだったり、個人的な感情だったりする。ただ1つ共通していること、それはその言葉がすべてプレイヤーに向けられていることだ。プレイヤーは彼女(その声は女性のもの)に奇妙な親しみを覚えることになる。2016-03-28_20-43-49.jpg

その言葉への解釈というのは個人で違うものとなるだろう。しかし、こんな単純で何も考える必要のないゲームをプレイしている最中にも関わらずその声の言葉を頭の中で反芻し、思想といえるようなものを構想している自分に気が付くことになる。文字に起こすと仰々しいが単純に言えば今作はプレイヤーに「考えさせる」ゲームなのだ。292600_screenshots_2016-03-07_00002_convert_20160328232800.jpg

僕にとってこの言葉の対象はまさに、この作品であると思う。ぜひ今作と戦ってほしい。