Game Mediation

PCゲーム、3DCG、哲学など

Alan Wake 全ては管理されている

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仲良くしていただいてるフレンドさんの勧めで一度積んでいたAlan Wakeをなんとかクリアまで持って行けました。難易度ハードでクリア時間は11時間ほど。

※3項目「プレイヤーはAlanを好きになれるか」にネタバレ有り

“管理が全て” ゲームの根幹を象徴する戦闘システム

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今作の戦闘システムは非常にシンプル。敵は闇のアーマーに覆われており、そのままの状態ではダメージを与えることができません。そこで主人公が持ち出すものは今作の象徴とも言える“光”、これを用いてアーマーを剥ぎ取り、銃でダメージを与えるというのが基本です。

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少しプレイしていると敵には弱点要素(ヘッドショット)がなく1体の敵に必要な弾丸数などが厳密に分かってくる。続いてアイテム管理の重要性も理解することになり貴重で強力なアイテムの使用タイミングを気にすることになる。

この戦闘システムは同じゲームのCS機版とPC版の間に起きる難易度問題を完全に解決している。例えばTomb Raider(2013)はマウスのエイム力を度外視していたために難易度が上手く機能していなかったしCoDのマルチに関して言えば別ゲーもいいところだ。Alan Wakeはエイム力は問わないし(ライトがレーザーサイト役)むしろ前述した貴重なアイテム、又は回避に必要なスタミナの管理に重きを置いている。オートエイムなどという雑な解決法以外を採用したのは大きな功績ではないだろうか。

見事な擬似的オープンワールド

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Alan Wakeの世界はエピソードごとにロケーションが変わるが一貫して“どこに行けば正解なのか”という不安がつきまとうと共に“どこにでも行けるのではないか”という開放感も生み出す。更に巧妙なことに少し探索を行えば貴重なアイテムや今後の展開を示す原稿など簡単な“ご褒美”を見つけるこちができる。よっぽどの完璧主義者でなければ「どこへでも行けるが有用なものは全てとった」という満足感を得られ“偽りのオープンワールド”を暴こうという気は起こさない。

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“無意識の監獄”にいる主人公Alan Wakeの状態をプレイヤーにも置き換えている。

プレイヤーはAlan Wakeを好きになれるか

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これは本当に好みの問題だが自分が操作するAlan Wakeという人間がとにかく気に入らなかった。彼は妻を助けるために奔走し自分が書いた小説通りのことが現実で起こっていることを認識する。しかし彼は道中でこれから起こることを原稿を拾い、知ったとしても何らリアクションを起こさない。「親友が襲われる」といった内容にも眉一つ動かさずにだ。これは思うに“パラドックスが起こり未来が変わってしまう”といったものと同じ種の危機感を自分が書いた小説に感じたからではないだろうか。つまり彼は“妻以外どうでもいい”のだ。


戦闘システムは当然のことながら大きな力の動きが感じられ徐々に明らかにされる物語は素晴らしかった。American NightmareやDLCにも続いているということなので物語についてはまた後ほど書きたいところです。