Game Mediation

PCゲーム、3DCG、哲学など

Transistor 好きなアクションRPG

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Bastionの開発元の新作アクションRPG。個人的なアクションRPGに対する苦手意識を全く感じさせない作りに感動しました。

噛み合ったアクションRPG

個人的にアクションRPGというジャンルがとても苦手だ。BorderlandsやWitcher 3の場合はRPG色が強すぎて敵を殺すにはアクションの腕と共にキャラクターの成長が必須である。「スープが飲みたいのにどうしてもネギが入ってくるラーメン」のようにどうしても鬱陶しく強制されている感じがしてしまうのだ(ネギが好きな人間ならいいのだろうけど)。さらに自分が最も気に入らない点はFalloutのような「アクションでもRPGでもいいよ」という半ば放り投げている形態だ。4では、どうなることか分からないがアクションにおいてもRPGにおいても中途半端な出来でどちらも無駄な要素と言ってしまいたくなる。

しかしTransistorは上記の問題を全て解消する。今作のゲームプレイには、自由に動ける代わりに敵もリアルタイムで動くアクションモードと行動数が限られる代わりに敵の動きを止めて攻撃ができるRPGモードが存在する。序盤こそアクションモードで切り抜けることができるが次第に敵も強大になっていきRPGモードの使用もいたし方なくなってくる。アクションモードにおいてはスピード重視で厄介な敵を先に殺したり範囲攻撃を目いっぱい使い複数の敵に打撃を与える。RPGモードにおいては攻撃の方向を厳密に決め最も効果的な攻撃を繰り出す。ここで両モード間にある流動性に気がつくことになる。そしてモードの使い分けを隔たりのある2つの要素としてではなく完成された一つのゲームプレイであることを認識することができる。

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つまりTransistorはアクションRPGにおける「おいしい物とおいしいものを合わせれば最強じゃね?」という安直な発想からくる様々な問題を繊細なバランスで解決し、一つの完成形を提示した素晴らしい作品である。

自分の文章が分かりにくい為、「強制されるのが嫌で自由にされるのも嫌なくせに、どちらの要素も必要であるTransistorを支持するのは矛盾している」といった意見を受けるかもしれません。しかし「強制である」と感じる要素というのは往々に出来損ないであると思うのです。そこで完全に要素と要素をかみ合わせたTransistorは上記の問題を孕んでいない作品としました。

SS

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