セールで98円の今作。ウィッシュリスト上でサムネが表示されない(そもそもサムネがお粗末)、商品ページ上のプレイ動画が酷い(下手、レールシューティングっぽく見える)、無名すぎる等の要因から全く見向きされない。これでクソゲーならば何の間違いも無いのだが存外面白かったので記事にする。久しぶりにクリアできた作品だ。
今作の主人公は一応超能力が使えるUbersoldier(超兵士)である。そのため以下の3つの能力を今作特有の要素として備える。
一、3連続のヘッドショットによって一定時間、弾薬無限、被ダメージ皆無の無敵状態になる
二、3連続の近接キルによって一定時間、必殺の近接攻撃が可能に、同様に無敵
三、ダッシュ時に消費するゲージを消費し周りに円状の弾丸のみを防ぐガードを張り巡らせる
一、二の発動条件を満たすのに三のガードがかなり有効でありステージも入り組んでいないので上手く進められればずっと無敵状態で突き進むこともできたりする。
躊躇無く進むことができるのは昨今のFPSにはつき物である収集要素などが皆無であることも挙げられる。敵のダメージに対するレスポンスがヘッドショットに適すものであったり(頭をこちらに垂れる)、弾切れの心配が無かったり、とにかくテンポを重視した今作はひたすらに快適だ。
このハゲを含めて3つのボス戦、度々現れる中ボス達はこの作品の魅力をことごとく潰す。それはもうこの狂気の笑顔のごとく(歯並びは中々)。
今作のテンポを構成するに当たって前提となるのが複数の雑魚である。しかしボス戦が始まってもそこには狙うべきヘッドは登場しないのだ。もうこの時点で何の変哲も無いFPSへと成り下がるのだが加えて敵のレスポンスは皆無である。いつ終わるとも分からずに、ただただ弾薬をばら撒き続ける戦いは辛さと少しの開放感しかもたらさなかった。
さらに最悪なのが火炎放射器を携えて登場した中ボスである。これは同じタイプの雑魚敵のHPを増やしただけなのだが、バリアは火炎放射器に非常に弱く、燃え移ったが最後ナメクジのような移動速度しか出せなくなってしまう。さらに指定されたステージは狭く一度着火すれば最後、延々と焼かれ続ける。十数回の試みの末やっと息の根を止められたときには人生で初めて殺意の残骸を持って死体撃ちを行った。使われることは無いと思うが一応攻略法を下に書いておく。
攻略
1,ロケットランチャーを遠距離から2発ぶち込む(この距離でも炎は届くので注意)
2,炎に巻かれながらもLMGで50発打ち切る(できれば背中の燃料タンクに)
3,燃焼ダメージを受けながら回復アイテムまで這いずる(ここで死ねばやり直し)
FPSは10時間未満に限る
ストーリーは正直クリアした瞬間に忘れても何の支障もなく済み、キャンペーンには進行不能バグが存在する。さらに前述の通りボス戦は最低であるのも確かだ。しかし、まとまったシステムとそれを支えるロケーション、武器、グラフィックは間違いなく素晴らしい。例の中ボスにコントローラーを壊されなければ間違いなく高評価をつけるであろう作品。