Game Mediation

PCゲーム、3DCG、哲学など

GTAに吹き替えが存在しないのは、ただの怠慢と理解不足だ

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『L.A.ノワール』スペシャルインタビュー ロックスター・ゲームスのローカライズ哲学よりRock Star Games(以下R☆)はローカライズにおいて吹き替えを行わない旨を示している。理由は単純である“雰囲気が壊れるから”だそうだ。開発元がこのような意向を持つならばいくら日本側が吹き替えを行う意欲を持っていても実現は不可能であろう。

疑惑の種

開発元はこちらの事情が一握りでも理解しているのだろうか?自分にはそうは思えない。まずこの記事を作成するに当たってR☆が実際に吹き替えを行わないというポリシーについて語ったというソースを探した。しかし見つかったのは(というか教えてもらったんだが)上で挙げたファミ通のインタビュー記事のみで他には本物のギャングに吹き替えを頼んだ、なんていうどうでもいい情報ばかりだった。(しかも中国ソースばかりでUSでは引っかからない)この情報の少なさは彼らが本当にローカライズに対して情熱を持っているのか疑わしくなるには十分すぎるものだった。

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吹き替え不在のデメリット

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運転中にベラベラ喋るな-以前の記事で述べたとおり今作のプレイ時間の大半は乗り物を使用してでの移動である。当然運転中であってもゲームはストーリーを進めるために電話越しや隣に座る相棒と会話を行う。つまり英語圏以外のプレイヤーは目的地まで運転することに加えて字幕を追うことも求められるのだ。これは運転への集中を欠くだけでなく、ただでさえつまらない移動から“景色を楽しむ”という唯一のポジティブな要素まで奪ってしまう。

するとこんな反論が返ってくる。「会話が終わるまで止まっていればいい」と。これこそ今作の最大の魅力を破壊する行為だ。GTA Vは何のために主人公を3人にまで増やし、その役割を分担させた?それは一つの視点では到底不可能であった“シームレスさ”を表現するためだろう。ユーザーはおろか開発元までもこれを軽視するとは恐れいった。

ラジオや街行く人々-彼らの声に字幕はつかない。世界観を構成する重要なパーツであるとともにGTAシリーズが評価される要因となったものであるのにも関わらず。R☆よ、本当に自分達のゲームを理解しているのか?

吹き替えをなめるなよ

そもそも彼らは吹き替えの何を知っているのだろうか。ソースが少なすぎるため上で挙げた文章で判断するしかないが“世界観を崩してしまうのではないか”とかいう推測と賤しめを交えた受け答えより彼らは何も知らないのだと考えられる。

映画で言えば「マスク」「ダイハード」「48時間」これらの吹き替えによる名作を開発元であるR☆は我々と同じ感覚で理解できるのだろうか。到底無理だろう。それはしょうがない。ならばR☆も我々の言語に関していちゃもんを付けることなどあってはならないだろう。

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